日本では賃金の停滞やインフレによる物価高で資産形成の環境が整っても、利用しづらい状況になってきています。
あなたは生涯賃金を意識したことがありますか?
生涯賃金は性別、学歴、企業の規模で大きく異なると言われています。
今回は生涯賃金から人生における3大支出と生活費を差し引いた場合に資産形成にどの程度の余力が残るかを公表されているデータから確認していきます。
結論として
生涯賃金から3大支出と生活費を差し引いても、共働き世帯であれば新NISAは満額利用できる可能性が十分あります。
生涯賃金
独立行政法人労働政策研究・研修機構によると
学校卒業後フルタイムの正社員を続けた場合の60歳までの生涯賃金は
男性の大学・大学院卒では2億7,000万円、
高校卒では約2億1,000万円
女性の大学・大学院卒では2億2,000万円、
高校卒では約1億5,000万円
となっています。
しかし、これらの生涯賃金は社会保険料や税金が引かれていません。
税金や社会保険料は収入によって異なりますが、
大半の方に該当する2割の金額を差し引き、
生涯賃金の手取り額を計算します。
男性の大学卒は約2億1600万円、
高校卒は約1億6800万円
となります。
女性の大学卒は約1億7600万円、
高校卒は約1億2000万円となります。
人生の3大支出
人生における3大支出は
住宅購入、教育費、老後資金
と言われています。
住宅購入は立地や住宅の種類によって価格が大きく異なります。
以下は住宅金融支援機構のフラット35を利用した人を対象とした住宅購入価格を示したものです。
出所
全国平均でみても、住宅購入価格は
2614万円から4455万円と価格に差があることがわかります。
住宅購入価格を中間値である約3500万円と仮定し、
ここにローンの金利が上乗せされます。
ローンの金利は返済期間や借りた場所や条件によって金額は大きく異なりますが500-1000万円は追加費用がかかることが多いようです。
控え目に見積もって500万円追加されたとして
住宅購入における支出を約4000万円と仮定します。
教育費は子供の進学先によって大きく異なります。
以下は文部科学省の子供の学習費調査による結果です。
出所
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/kyoikuhi/kyoikuhi001.html
公立か私立かで大きく費用が異なりますが、
1000万円以上の支出にはなります。
夫婦の最終的な平均出生数を表す完結出生児数は2021年に1.90人となっています。
子供の人数を2人と仮定すると少なくとも
約2000万円の支出になります。
老後資金も年金額やどのような生活をするかによって大きく異なります。
数年前に話題になった老後2000万円問題をご存知の方は多いと思います。
老後資金は2000万円不足すると報道されました。
ここから、老後資金は2000万円準備すると仮定します。
人生の3大支出は控え目に見積もっても
4000万円+2000万円+2000万円=8000万円
となります。
生涯における生活費の支出
日々の生活にも費用がかかります。
総務省の家庭調査で世帯人数別の1ヶ月の支出が調査されています。
出所
初産の年齢は約31歳という調査結果があり、
世帯人数2人の期間が
子供が産まれるまでの10年間と子供が20歳以降の10年間の20年間と仮定します。
世帯人数4人の期間が子供が20歳になるまでの20年間
と仮定します。
60歳以降の支出は世帯人数2人の70%を
平均寿命である80-86歳までの約25年間と仮定します。
2人世帯の1ヶ月の平均支出約20万円
20×12×20=4800万円
4人世帯の1ヶ月の平均支出は約23万円
23×12×20=5520万円
60歳以降の1ヶ月の平均支出約14万円(20万円の70%)
14×12×25=4200万円
全てを合計すると
4800+5520+4200=1億4520万円となります。
生涯賃金−生涯支出=投資可能な金額
近年は共働き世帯が増えています。
生涯賃金を夫婦で3億円と仮定します。
3大支出が8000万円
生活費が1億4520万円と仮定すると
30000-(8000-14520)=7480万円
私の考えと実践方法
生涯賃金から支出を引くと約7480万円程度は残る計算になります。
新NISAは1人1800万円、夫婦で3600万円利用できます。
7480万円の半分程度を新NISAで利用できれば
大半の方にとって資産形成は完了すると考えます。
ただし、生涯賃金や人生の3大支出、生活費は変動費であり、人によって大きく異なります。
加えて、インフレにより、生活費はより大きくかかる可能性が高いです。
インフレを考慮しても新NISAを満額利用できる可能性があるため、積極的な利用を検討してみても良いかもしれません。
私の場合
住居費を抑えるために、住宅購入ではなく、賃貸にして、
支出が減った分を新NISAの資産運用の資金にしています。
まとめ
生涯賃金や支出は人により大きく異なります。
平均的な収入と支出であり、共働き世帯であれば新NISAを利用できる余地は十分あると考えます。
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※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。