
資産形成というと「お金の運用」に目が向きがちですが、最も大切なのは“自分自身への投資”、つまり「人的資本」です。
年齢によって効果的な投資先は変化します。
本記事では、人的資本と金融資本のバランスの取り方を解説します。
結論として
若いほど人的資本に、年齢を重ねたら金融資本に投資することが重要です。
人的資本投資の重要性を理解しよう
FIRE(経済的自立と早期リタイア)が注目される今、「働かずに生きる」ことが理想のように語られます。
しかし、実はFIREを急ぐほど人的資本を減らすリスクがあります。
人的資本とは「働いて得られる収入を生み出す力」のことです。
若い時ほどこの価値は高く、金融資本(お金)よりもリターンを得やすい資産です。
たとえば、年収400万円を得る場合、金融資産でこれを再現するには利回り4%で1億円の元本が必要です。
一方、多くの人は人的資本によって年収400万円を得ています。
つまり、金融資本よりも人的資本の方が圧倒的に高い価値を持っているとも言えます。
若いうちは、投資信託や株式よりも、まずは自分のスキル・知識を磨き、稼ぐ力を増やす“自己投資”を優先すべき理由がここにあります。
「仕事×学び」で人的資本を伸ばす
資産形成の出発点は「仕事を通じて価値を生み出すこと」です。
1日の大半を占める仕事を楽しめるようになると、人生全体の満足度も高まります。
ここで知っておきたいのが次の3段階です。
- ライスワーク(生活のための仕事)
- ライクワーク(好きになれる仕事)
- ライフワーク(人生をかけたい仕事)
まずは、生活のための仕事(ライスワーク)からスタートし、知識や経験を重ねて“好きになれる仕事(ライクワーク)”へと移行するのが理想です。
人的資本への投資は、資格取得やスキルアップだけでなく、読書や情報収集からも可能です。
SNSやYouTubeなどの無料情報も役立ちますが、玉石混交です。
信頼性の高い本から学ぶ方が、深い理解を得やすいでしょう。
具体的には、
- 業界の著名人や専門家の著書を読む
- 気に入った著者を見つけたら、関連する本や論文も読む
- 学んだ内容を実務に取り入れる
こうした地道な積み重ねが、長期的に見て最も高いリターンをもたらします。
年齢とともに「金融資本」へのシフトを意識
人的資本は加齢とともに減少していきます。
定年退職後、給与がゼロになることを考えればイメージしやすいでしょう。
そのため、人的資本が高いうちに金融資本を育てておくことが大切です。
働いて得た収入の一部を、NISAやiDeCoなどの長期投資に回すことで、将来的に「働かなくても収入がある」状態を目指せます。
たとえば20代〜30代では人的資本への投資(スキル・経験)が中心。
40代以降は、金融資本(株式・投資信託など)への比重を少しずつ高めていくのがバランスの良い戦略です。
人的資本が衰えても、金融資本からのリターンが生活を支えてくれるようになります。
つまり、“自分の力で稼ぐ時期”から“お金に働いてもらう時期”へと移行することが、資産形成の王道なのです。
私自身、社会人8年目で株式投資を始めました。
それまでは仕事に全力投資し、専門知識を深めてきた結果、転職によって収入が上がりました。
その後、増えた収入をNISAに回すことで、人的資本の成長が金融資本の成長につながる好循環を作ることができました。
最初から投資に全力を注ぐよりも、「まず自分に投資し、次にお金に投資する」という順番が、堅実で再現性の高い資産形成法だと実感しています。
まとめ
若いうちは人的資本への投資を最優先し、年齢を重ねたら金融資本への投資で補いましょう。
このバランスこそが、長期的に安定した資産形成の鍵となります。
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※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。