前回の記事でFUCTFULNESS という本から日本が恵まれている事実を紹介しました。
しかし、日本に住んでいる方で恵まれているという実感を持つ方は多くない印象があります。
今回は日本に住んでいる方が恵まれている印象を持てない理由について考えていきます。
結論として、
日本人の多くは家計資産停滞やインフレ対応ができていないことから恵まれている実感を持てないと考えます。
日本の家計資産と賃金の現状
以下の図は金融庁による米国、英国、日本の家計金融資産の推移を示したものです。
出所 金融庁 平成27年度事務年度 金融レポート
日本は米国、英国と比べると家計の金融資産が増えていないことは明らかです。
加えて、平均賃金は米国や英国は年々増加傾向ですが、日本はほぼ横ばいの状態です。
出所 主要国の平均賃金(年収)の推移(OECD調べ)
これらのことから世界全体でみると日本は裕福な国です。
しかし、先進国の中では経済成長が滞っており、賃金や資産が増えていないというのが事実です。
つまり、日本は世界的に見れば裕福ですが、相対的には貧しくなっていると言えそうです。
近年の訪日観光客の増加は日本が先進国の中で貧しくなっており、先進国の人々が訪れやすい国になったという証明でもあると考えます。
日本の家計資産の割合
日本の家計資産の大半は現金や預金です。
以下の図で米国、英国、日本を比較すると、日本は現金や預金が多く、株式が少ないというのは明らかです。
出所 「金融庁 平成27年度事務年度 金融レポート」
過去のデータをみると株式の成長性に疑いの余地はありません。
これらのことが日本の家計資産の停滞にも関係していると考えます。
近年、NISA制度などの株式の優遇制度の拡張が進められているのはこの事実に基づいていると考えます。
日本にもインフレが起きている
最近、様々な物の値段が上がっています。
物価が上がるとお金の価値が下がります。
このことをインフレーション(インフレ)と言います。
例えば、ある物が100円から120円に値上がりすると100円では買えなくなります。
つまり、相対的にお金の価値が下がります。
日本銀行のインフレ率の目標は2%と言われています。
つまり、2%よりも金利が低い資産が多いと相対的にお金の価値が下がり続けることを意味します。
上記で紹介したように、日本の金融資産の大半は現金と預金です。
メガバンクの預金は約0.001-0.002程度です。
つまり、インフレに対抗するには預金では不十分です。
これらの事実から、今後の日本に住むには、株式等の元本保証されていない金利の高いリスク資産を持つことが必須の時代になってきています。
まとめ
日本は世界的視点でみると裕福ですが、先進国の中では賃金や資産の停滞が起きており、相対的に貧しい状態になっていると考えます。
インフレに対抗するには現金や預金では不十分であり、株式などのリスク資産を持つことが必須の時代になってきています。